【法人設立と個人事業主の違い】
法人設立と個人事業主は、ビジネスを行う上で選択しなければならない2つの主要な形態です。以下では、それぞれの違いについて説明します。
- 法人設立
法人設立とは、法人格を有する企業を設立することを言います。法人格を有するとは、会社が個人とは別の存在として法的に認められることを意味します。主に、株式会社や有限会社などが該当します。
法人設立のメリットは、以下のようになります。
・責任が限定される：株式会社や有限会社などの法人格を有する企業では、法人としての責任が個人とは分離されます。つまり、会社が借金をしても、個人の財産には手をつけられません。
・信用力が高い：法人格を有する企業は、個人事業主よりも信用力が高いとされています。銀行からの融資や取引先との取引において有利な条件を得ることができる可能性があります。
・長期的な経営が可能：法人格を有する企業は、創業者の死亡や退職による経営継承の問題を回避することができます。つまり、長期的な経営が可能です。
- 個人事業主
個人事業主とは、個人が自己の責任で事業を行うことを指します。主に、フリーランスや個人店舗などが該当します。
個人事業主のメリットは、以下のようになります。
・手続きが簡単：法人設立に比べ、手続きが簡単です。個人事業主として開業する場合、登記や手続きの必要がありますが、法人設立に比べると費用も時間もかかりません。
・自由な経営が可能：個人事業主は、自由に経営を行うことができます。自分の思い描くビジネスモデルで事業を展開することができます。
・税制上のメリット：個人事業主は、所得税や消費税などの税金において、法人よりも有利な制度があります。特に、小規模企業共済や個人年金保険などの制度を活用することで、税金の節約ができる可能性があります。
法人設立・個人事業主の違い
◆開業・設立手続き
個人：開業届を出すだけ（0円）
法人：定款作成・登記が必要（約6〜25万円）
◆税金
個人：経費に認められる範囲が狭い
法人：経費に認められる範囲が広い
◆会計・経理
個人：個人の確定申告（簡単）
法人：法人決算書・申告（税理士が必要なことが多い）
◆生命保険
個人：所得控除
法人：全額経費
◆社会保険（従業員分含む）
個人：会社負担分なし（5人未満の場合）
法人：会社負担分あり
◆信用
個人：低い
法人；高い
【まとめ】
法人設立と個人事業主の違いについて、上記のように説明しました。どちらを選ぶかは、事業の規模や目的、経営方針などによって異なります。一般的には、大規模なビジネスや将来的な経営継承を見据える場合には、法人設立が適しています。一方、個人事業主は自由な経営が可能であり、手続きも簡単なため、小規模なビジネスやフリーランスなどには適しています。
【事業規模や目的に合わせた選択方法】
小規模なボルダリングジムを運営する場合、個人事業主として運営することが適しています。手続きが簡単で費用が抑えられるため、運営のハードルが低くなります。また、法人設立に必要な税務や会計処理の知識がない場合でも、個人事業主として運営することができます。
ただし、将来的に拡大することを見据えている場合は、法人設立が適している場合があります。資金調達や事業拡大に必要な資産を確保するために、法人としての信用力が必要になる場合があります。
